今年は誰もがUGC(ユーザー生成コンテンツ)の話題で持ちきりで、ブランドにとってどれほど効果的かが語られています。その理由は明らかです。100万人ものユーザーが参加し、特定のブランドに莫大な露出をもたらしたキャンペーンを見れば、その威力は一目瞭然です。
しかし、UGCはブランド認知を広げたいときにマーケティングチームがいつでも安全に切れる手札というわけではありません。より正確に言えば、キャンペーンの趣旨を完全に取り違えさせ、ブランドにとって大きな失敗に終わらせてしまう「悪いUGC」が存在するのです。
従来型のマーケティングですでに成功を収めていた大企業でさえ、失敗に終わったUGCキャンペーンを少なからず経験しています。ですから、UGCキャンペーンが初めての方は、あなたのUGCキャンペーンが失敗しないことを保証してくれる、確立された手引きなど存在しないということを知っておく必要があります。
それでも、ブランドや代理店にできる唯一のことは、失敗に終わったUGCキャンペーンを分析し、そこから学ぶことです。そして、UGCキャンペーンを立ち上げる際に同じ過ちを繰り返さないようにするのです。
悪いUGCキャンペーンとは
私たちは皆、うまくいかなかったマーケティングキャンペーンを目にしてきました。関連性があり、説得力があり、エンゲージメントを生むコンテンツを作れなかったケースもあれば、コンテンツ自体は優れていてもシェアされず、バズらなかったケースもあります。マーケティングは予測のつかない世界であり、キャンペーンは期待どおりの成果をもたらさないこともあります。
それよりもさらに厄介なのが、キャンペーンの目的を達成できないどころか、正反対の方向に転がり、ブランドの評判を傷つけてしまう悪いUGCキャンペーンです。簡単に言えば、悪いUGCは、人々が特定のブランドに対して抱えている不満を訴えなければならないときに生まれます。過去にその声が聞き入れられなかった場合、人々はバズったハッシュタグを、その問題について声を上げる絶好の機会として利用するのです。
悪いUGCキャンペーンは、たいてい実行が不十分だったり、十分なリサーチをせずに立ち上げられたり、何らかの不祥事の後に好感を無理やり押しつけようとしたものだったりします。本質的に押しつけがましく、特定のブランドや業界にはふさわしくない場合もあります。
失敗に終わったUGCキャンペーン10選
UGCの盛り上がりについ夢中になってしまうのは無理もありません。何しろ、ブランドを世に広め、消費者とつながる素晴らしい手段なのですから。しかし、UGCを活用するのであれば、正しいやり方で行う必要があります。
ここでは、長年にわたってブランドが手がけた、失敗に終わったUGCキャンペーン10選をご紹介します。なぜキャンペーンがうまくいかなかったのかを知り、ブランドの評判を損なう同じ過ちを犯さないようにしましょう。
Starbucks #SpreadTheCheer
Starbucksは、クリスマスの時期に、みんなに陽気なホリデーメッセージを広めようという狙いで#SpreadTheCheerキャンペーンを展開しました。同社はこのキャンペーンが大成功を収めることを期待していました。そこでさらに一歩進んで、すべての#SpreadTheCheerツイートを自然史博物館のアイススケートリンクの壁にライブで投影したのです。(出典)
しかし問題だったのは、このキャンペーンが、同社が税金を全額納めていないと公に非難された直後に展開された点でした。そのため、怒ったユーザーがハッシュタグを乗っ取り、税金問題やStarbucksが長年にわたって犯してきたあらゆる過ちについてツイートしたのです。
その対応として、Starbucksは壁に次のような声明を掲げて謝罪しました。「日曜日に自然史博物館のアイスリンクカフェのTwitterウォール画面に表示された不適切なメッセージによって不快な思いをされた来場者の皆様に、お詫び申し上げます。これはコンテンツフィルタリングシステムの一時的な不具合によるものでした。」

マーケティングから学べること
これは古い事例ですが、ここから学べるのは、現在または直近の過去にブランドがスキャンダルに見舞われた場合は、決してUGCキャンペーンを展開してはいけないということです。人々がそれを忘れる時間を少し与え、その間にブランドが信頼を取り戻すのに役立つ良い取り組みに集中しましょう。さもなければ、Starbucksに起こったように、大量の悪いUGCを浴びることになります。
さらに言えば、Twitterのライブ投影は、2012年当時であっても非常にリスクの高いものでした。インターネット上では、誰もが陽気さを広めようとしているわけではありません。むしろ、ほとんどの人はブランドや人物に対する不満をぶつける機会をうかがっているだけなのです。したがって、UGCをライブで投影するのは、そのコンテンツを自分でコントロールできない以上、良いアイデアとは言えません。
McDonald’s #McDStories
#McDStoriesは、Happy Mealにまつわる心温まる感動的なストーリーを募るためにTwitterで立ち上げられたハッシュタグキャンペーンでした。残念ながら、このキャンペーンはひどく裏目に出てしまいました。人々はMcDonald’sでの不快な体験談や、あらゆる失敗や至らない点を投稿し始めたのです。
人々はすべての不満をぶつける機会だと捉え、ひどいサービスからファストフードならではの体験まで、あらゆることを指摘し始めました。最悪だったのは、McDonald’sが#McDStoriesをTwitterのトレンド入りさせるためにすでに費用を支払っていたことです。そのため、このキャンペーンはTwitterユーザーやUGCの作り手から大きな注目をすでに集めていました。
さらに、McDonald’sは大量の悪いUGCが集まり始めると、2時間以内にキャンペーンを取り下げました。しかし、クラウドソーシング型のキャンペーンは素晴らしい成果をもたらすこともある一方で、コントロールしたり止めたりするのは困難です。そのため、キャンペーンを取り下げた後も、人々はMcDonald’sにまつわる恐怖体験談をツイートし続けました。

これは、ブランドのハッシュタグがBashtagに転じた事例です。#McDstoriesから#McDHorrorStoriesへ。
/Bashtag/ キャンペーン、組織、または人物を批判するために作られたハッシュタグ。
Bashtagは今なお健在で、私たちは毎日のように目にしています。
マーケティングから学べること
McDonald’sは、キャンペーンに先立って起こりうる失敗を洗い出し、こうした失敗に備えておくべきでした。ブランドは理想的な顧客をターゲットにするのと同様に、自社の製品やブランドに対して何らかの反感を抱く人々のニッチも見極められるはずです。とりわけ、UGCキャンペーンを立ち上げ、Twitterのトレンドハッシュタグにお金をかけるのであればなおさらです。
最終的に、McDonald’sはキャンペーンをこれほど早く中止するのではなく、ハッシュタグのもっと前向きな側面を引き出そうと試みるべきでした。すでにキャンペーンが世界的なマーケティングの失敗となってしまったその時点では、失うものは何もなく、人々をさらに前向きなコンテンツの共有へと促せるわずかなチャンスがあったのです。
Coca-Colaの#MakeItHappy
Coca-Colaは、人間愛にあふれた素晴らしいマーケティングキャンペーンを通じて陽気さを広めることで知られる企業です。しかし、どんなに優れた企業でも、物事は悪い方向に転がることがあります。Coca-Colaも、制御不能になった悪いUGCキャンペーンを経験しているのです。
2015年、同社はインターネットをもっと幸せな場所にしようと、#MakeItHappyキャンペーンを展開しました。具体的には、Twitterユーザーがあらゆる悪意あるツイートに#MakeItHappyをタグ付けすると、Coca-ColaがそのネガティブなコンテンツをASCIIを使ってかわいらしい前向きなグラフィックに変えてくれる、というものでした。

しかし同社は、インターネット上の誰もが前向きさを広めようとしているわけではないということを忘れていました。その結果、このキャンペーンはGawkerに乗っ取られ、『我が闘争』を引用するように仕向けられてしまったのです。
具体的には、Gawkerの編集ラボディレクターであるAdam Pashが、@MeinCokeというTwitterボットを作成し、『我が闘争』の一節をツイートするように設定しました。最悪だったのは、このボットが#MakeItHappyハッシュタグを使ったことで、Coca-Cola自身のTwitterボットがそれをかわいらしい画像に変えるよう作動してしまった点です。その結果、Coca-ColaのTwitterフィードがアドルフ・ヒトラーの文章の大部分を投影することになってしまいました。

こうした状況を受けて、Coca-Colaは次のように述べて#MakeItHappyキャンペーンを取り下げました。「#MakeItHappyのメッセージはシンプルです。インターネットは私たち次第でつくられるものであり、私たちはそれをより前向きな場所にするよう人々を後押ししたいと願っています。残念ながら、Gawkerはこのキャンペーンを、本来の趣旨とは異なるものに変えようとしています。」
とはいえ、このキャンペーンが完全な失敗だったわけではないという事実も見過ごせません。喜びをもたらすことには成功し、素晴らしい目標を掲げていました。しかし残念ながら、すべてをボットに委ねたことが、支払わなければならない代償を生んだのです。
マーケティングから学べること
今日のインターネットを知っていれば、Coca-Colaはこうしたキャンペーンの展開に備えておくべきでした。UGCキャンペーンを計画する際、ブランドは起こりうる問題に対してすべてを適切に計画しておかなければなりません。さもなければ、まさにこのケースのように、物事は簡単に制御不能になり、大量の悪いUGCを浴びることになります。
しかし、Coca-Colaのチームは、自分たちがこの物語の善人であることを示す声明を発表することで、正しい対応をしました。その声明はこう締めくくられています。「#MakeItHappyを通じて憎悪を広めようとするボットを作ることは、まさにCoca-Colaがこのキャンペーンで対処したいと考えていた、オンライン上にはびこるネガティブさの完璧な実例です。」
オーストラリア鉱物協議会による#CoalisAmazingキャンペーン
石炭は気候変動の元凶として知られています。だからこそ、オーストラリア鉱物協議会は、石炭を燃やすことの価値をオーストラリアの人々に説明するキャンペーンを立ち上げました。
このキャンペーンは、動画、プロモーション用ポスター、そしてキャンペーンハッシュタグ#CoalisAmazingを使って、いたるところで宣伝されました。

彼らの目標は、雇用機会の創出や照明の確保といったあらゆるメリットにスポットライトを当てることでした。しかし予想どおり、このキャンペーンは世界中の環境保護活動家の注目を集めると、正反対の方向へと転がっていきました。その後、ハッシュタグ#CoalisAmazingは、石炭にまつわるあらゆるネガティブな話題を強調するために使われたのです。

ハッシュタグはたしかにバズりましたが、間違いなく、より多くの人々が石炭の使用に反対の声を上げました。そのため、この悪いUGCキャンペーンは「今年のPR大失敗」と呼ばれました。
オーストラリア鉱物協議会にとってキャンペーンの失敗以上に痛手だったのは、方向転換した後、このキャンペーンが、それまで石炭の害について知らなかった多くの人々の目を開かせ、より優れた他の再生可能エネルギー源の存在を知らしめてしまったことでした。
結局のところ、このUGCキャンペーンは、鉱業会社に石炭を宣伝する場を与えるどころか、環境保護活動家が気候変動と闘うために一人ひとりが役割を果たすよう人々を啓発する機会を切り開いてしまったのです。
マーケティングから学べること
キャンペーンの1か月後、鉱物協議会のCEOは反発を予想しており結果に満足していると述べましたが、マーケティングの観点から見れば、これは成果を出せなかったもう一つの悪いUGCキャンペーンにすぎませんでした。彼らはより多くの会員を獲得したかったと言っていますが、たとえそれが本当だとしても、その会員獲得には代償が伴いました。
もう一つの問題は、丸ごと一つのキャンペーンを計画したテーマについて、彼らが十分なリサーチをしていなかったことです。当時、環境保護活動家はすでに水面下で、再生不可能なエネルギー源とそれが気候変動に与える影響について論拠を固めつつありました。ですから一方では、石炭のネガティブな影響はいずれにせよオーストラリアの人々に提示されていたでしょう。それでも、このキャンペーンはバズったハッシュタグを利用して、そのプロセスを大幅に加速させてしまったのです。
Bill Cosbyによる#CosbyMeme
コメディアン、俳優、作家であるBill CosbyのPRチームによるキャンペーンも、UGCキャンペーンにおける最大級の失敗の一つです。長年にわたり、複数の女性がBill Cosbyに対して性的暴行の疑惑を告発していました。
それにもかかわらず、彼のPRチームは、人々が面白いBill Cosbyのミームを作るUGCキャンペーンを展開することにしました。その目的のために、彼らは彼のウェブサイト上で、数秒で写真をミームに変えるアプリケーションを公開しました。
この悪いUGCキャンペーンの目標は、彼をより人間味があり、面白く、愛すべき人物として見せることでした。しかし、これは当然ながらうまくいきませんでした。
このキャンペーンは人々の考えを変えることはできませんでした。それどころか、正反対の結果を生む絶好の機会を人々に与えてしまったのです。人々はキャンペーンを乗っ取り、Cosbyが本当に有罪であることをさらに示唆するものへとキャンペーンを変えてしまいました。

キャンペーンが裏目に出ると、Cosbyのチームはアプリケーションを取り下げました。しかし、すでに被害は出ており、#CosbyMemeキャンペーンはCosbyを変質者として描き出し、彼の評判をさらに傷つけてしまいました。
マーケティングから学べること
好感を無理やり押しつけることはできません!現実の世界で通用しないものは、デジタルの世界でも通用しないのです。すでに述べたとおり、UGCキャンペーンは何が投稿されるかが自分次第ではないため、予測がつきません。しかし、人物であれブランドであれ、誰かの評判が地に落ちている場合、こうしたことが起こるのは至極当然なのです。
PRチームが見落としたもう一つの点は、緊急時対応計画です。これはUGCキャンペーンを実施する際に常に必要となるものです。
ニューヨーク市警察(NYPD)による#myNYPDキャンペーン
2014年、NYPDの公式Twitterアカウントは、ハッシュタグ#myNYPDを使って写真をシェアするよう一般市民に呼びかけました。
このUGCキャンペーンは、白人の警官が丸腰の18歳の黒人男性を射殺した事件の後、NYPDの警官のより良いイメージを作り、信頼を再構築するために立ち上げられました。
お察しのとおりです。これもまた、人々の信頼を失う大きな事件の後に、好感を無理やり押しつけ、性急に事を進めようとしたキャンペーンでした。
人々は警察の暴力に怒り、失望していたため、このキャンペーンはたちまちオンライン上の抗議運動へと変わりました。何千人もの市民が#myNYPDハッシュタグを使って、暴力、警察の蛮行、人種プロファイリングの事例を強調してツイートしたのです。

わずか2日間で、#myNYPDを使って10万件のツイートが投稿され、その大半が警棒の使用から「犬への身体検査」まであらゆることを取り上げていました。
マーケティングから学べること
NYPDの評判がすでに地に落ちていたこうした危機において、彼らがやってはいけなかったのは、好感を無理やり押しつけて応急処置をしようとすることでした。キャンペーンを行う代わりに、彼らはゆっくりと着実に信頼を築くべきだったのです。
さらに、彼らは緊急時対応計画を持っていなかっただけでなく、「悪い評判というものは存在しない」とまで述べていました。
一方で、NYPDは諦めず、キャンペーンの最後まで前向きなツイートに反応し続けました。最終的に、彼らは4000人のフォロワーを獲得しさえしたのです。
SeaWorldによる#AskSeaWorld
これは、ネガティブな評判を変えようと性急に事を進めた、もう一つの悪いUGCキャンペーンの物語です。
2013年、ドキュメンタリー映画『Blackfish』が公開され、3人の命を奪った飼育下のシャチの物語が語られました。世間は衝撃を受け、シャチを飼育下に置いているSeaWorldを非難しました。
その2年後、SeaWorldはこの映画の後で自社のイメージを回復させるため、#AskSeaWorldキャンペーンを展開しました。彼らの目標はユーザーを啓発することでした。そのため、ユーザーはSeaWorldが自社サイトで回答する質問をTwitterに投稿するよう求められました。
しかし、人々は意見を変えませんでした。それどころか、動物福祉の問題を持ち出し、パークがいつ閉鎖されるのかと尋ね始めたのです。

さらに、ドキュメンタリーが公開された際、SeaWorldはそれを「恥ずべきほど不誠実で、意図的に誤解を招き、科学的に不正確である」と述べていました。そのため人々は、このドキュメンタリーがキャンペーンを引き起こしたことを知っていました。つまり、SeaWorldは映画が突きつけた陰惨な事実を否定していたのです。
マーケティングから学べること
ドキュメンタリー公開後までキャンペーンを待ったとはいえ、SeaWorldは時間が経っても許されないことがあるということを忘れていました。人命を危険にさらすような重大なことは、数年が過ぎても忘れ去られることはないのです。
裏目に出る事態をさらに過熱させたのは、PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)がSeaWorldの動物飼育について絶えず追及していたという事実でした。そしてPETAとともに、他の動物愛好家たちもSeaWorldの行動に異を唱えました。
その結果、このマーケティング施策は悪評を招き、会社の株価さえ史上最高値から50%も下落しました。
JP Morganによる#AskJPM
2013年、米国の商業銀行であるJP Morganは、ハッシュタグ#AskJPMを使ってTwitterでオープンなQ&Aを開催する計画を立てました。
質問を投稿するには、人々はハッシュタグを使う必要があり、その後、副会長のJimmy Leeが回答することになっていました。このキャンペーンはQ&Aが予定される1週間前に告知され、リーダーシップやキャリアアドバイスに関するテーマも併せて発表されました。
しかし当時、JPMorganは米国で最も批判されていた商業銀行の一つでした。同行はいくつかの刑事捜査に直面しており、その一つはポンジ・スキームの首謀者であるBernard Madoffとの関係を調べるもの、もう一つはアジアでの贈賄の可能性と同行を結びつけるものでした。
JPMorganはこれらの訴訟を解決する合意の交渉を進めており、また前年には2人の元従業員が記録的な取引損失を隠蔽しようとしたとして起訴されていました。
そうしたすべての事情から、Q&Aセッションの前日、ハッシュタグを使って質問するよう人々にリマインダーをツイートしたところ、人々はJPMorganについて知っているあらゆる悪事を強調するツイートで反撃したのです。


その結果、JPMorganは2件目のツイートから数時間以内にQ&Aを中止しました。

マーケティングから学べること
大きなブランドは大きく転びます。大企業が悪いUGCキャンペーンを生み出すと、最初から大きな注目を集めるため、大きな代償が伴います。さらに、これほどの評判と過去の汚点を抱える企業が最悪のシナリオに備えていなかったという事実は、無責任と言わざるを得ません。
最後に、Twitterはフィルターのかかっていない、生々しく、コントロールの効かないプラットフォームです。そのため、キャンペーンを台本どおりに進めることはできません。むしろ、すべてがより衝動的であり、コンテンツは熟考された上でというより、衝動的に作られるのが普通です。だからこそ、人々にUGCを求めると、彼らの頭に最初に浮かんだものが返ってくるのです。残念ながら、このケースでは、それがJPMorganに対する刑事告発でした。
Agile Allianceによる#Agile2013
Agileは、専門家同士のネットワーキングのための大規模なビジネスカンファレンスでした。真剣なアプローチと高度に専門的な運営、基調講演者、そしてネットワーキングのアクティビティを備えた巨大なカンファレンスでした。しかし、悪いUGCキャンペーンのせいで不運な展開を迎えてしまいました。
主催者は会場の外にもカンファレンスの評判を広めたいと考え、Twitterキャンペーンを作ることを思いつきました。彼らは5つのインタラクティブなディスプレイボードまで設置し、誰かがハッシュタグ#Agile2013を使ってツイートするたびに、そのツイートがボードに表示される仕組みにしました。そして、このアイデアがStarbucksでうまくいかなかったように、彼らにとってもうまくいきませんでした。
最初のうち、人々はそれを気に入り、カンファレンスがいかに素晴らしいかをツイートしていました。あるユーザーが、ハッシュタグ#Agile2013を使ってばかげたことを何でも投稿するよう他のユーザーに呼びかけるツイートをするまでは。
どうやら、専門家が集まるカンファレンスであっても、一部のユーザーがそれに乗っかり、試してみることにしたようです。ほどなくして、ボードはカンファレンスとは関係のないミームや冗談、その他のもので埋め尽くされました。カンファレンスのチームが状況をコントロールできなかったからです。

マーケティングから学べること
この事例は、こうしたことが過去に過ちのあったブランドにだけ起こるわけではなく、人々はフィルターのかかっていないキャンペーンを乗っ取る機会を常にうかがっているということを示しています。
Agile Allianceのチームが犯した過ちは、ツイートをフィルタリングする手段を持っていなかったことです。とりわけ、カンファレンスの開催場所でそれをボードに表示すると決めていたのですから。
カンファレンスの評判をオンラインで広めるという戦術は素晴らしいものでしたが、すでに述べたとおり、何事も人々の善意に委ねてはいけません。彼らがすぐにやるべきだったのは、すべてのボードの電源を切るか、ツイートの表示を止めることでした。
そして、もしキャンペーンを継続したかったのであれば、別のハッシュタグを発表するとともに、ツイートをスクリーンに表示する前にフィルタリングする方法を見つけるべきだったのです。
Entenmann’sによる#NotGuilty
最後に、#NotGuiltyは、トレンド入りしていたTwitterハッシュタグを使う前のリサーチ不足が原因で失敗したUGCキャンペーンです。
この有名なアメリカのスイーツメーカーは、バズったハッシュタグに乗っかる機会だと捉え、新しい低カロリースイーツを宣伝する狙いで「好きなだけおいしいお菓子を食べることに#notguilty(罪悪感なし)なのは誰?!」とツイートしました。
残念ながら、このハッシュタグがバズっていたのは、Casey Anthony裁判の結末に人々が激怒していたためでした。このケースは、自宅近くの森で遺体で発見された2歳の女の子Caylee(原文ママ)に関するものだったため、非常にデリケートな話題でした。殺人で逮捕された容疑者はその女の子の母親で、最終的に#notguilty(無罪)と判断されたのです。
ツイートの直後、人々はEntenmann’sの無神経な振る舞いを批判しました。メディアもこの配慮を欠いたツイートを報じ、Entenmann’sは過ちを犯したことに気づくとすぐにツイートを削除し、この件について謝罪しました。

マーケティングから学べること
すでにトレンド入りしているハッシュタグに飛びつく際にリサーチをすることは、マーケティングの基本中の基本です。これは、UGCキャンペーンがブランド自身によって立ち上げられたものでなくても、悪評を招く可能性があることを示す事例です。
彼らが正しくやったことの一つは、誠実な謝罪文を書き、Entenmann’sが支援を必要とする非営利団体のために行っていたプロボノ活動を増やすことで評判を改善したことです。
UGCキャンペーンで避けるべき過ちのまとめ
ここまでで、UGCキャンペーンを立ち上げる際に何がうまくいかなくなりうるのか、より明確なイメージが持てたのではないでしょうか。最後にまとめとして、SNSで次のUGCキャンペーンを立ち上げる前に、最も頻繁に起こる過ちを心に留めておきましょう。
- 緊急時対応計画なしにUGCキャンペーンを立ち上げない。
- 好感を無理やり押しつけない。
- リサーチを行い、人々が自社ブランドについてどう感じているかを把握する。
- 使おうとしているハッシュタグが、何らかの文脈ですでに使われていないか、誤解を招かないかを確認する。
- ボットに頼らない。
- ハッシュタグが乗っ取られた場合に備えて、解決策の計画を用意しておく。
結局のところ、過去にいくつかの悪いUGCキャンペーンがあったとはいえ、UGCは今なおデジタルマーケティングにおける金鉱です。外部の人々をキャンペーンの一部として巻き込むたびに、上記の最大級の過ちをすべて避けられるよう、いっそうの注意を払う必要があります。
UGCで成功する方法については、UGCキャンペーンの事例一覧をご覧ください。







