マーケティングアンケートの実施は、深い調査を行い、リアルな顧客フィードバックを収集するための、最も手軽で効果的な方法のひとつです。そしてこの顧客フィードバックこそ、あらゆる成功するビジネス・製品・サービスに欠かせない重要な要素のひとつとされています。
「なんとなくの勘」や思い込みで十分だった時代は、とっくに終わりました。今やビジネスの規模の大小を問わず、データにもとづいたマーケティングこそが、重要かつ効果的な意思決定の土台となっています。
アンケートや各種マーケティング用フォームの活用は、マーケティングチームのDNAそのものと言える存在です。ですから、これらをマーケティング活動に組み込むのは、もはや当たり前のことなのです。
マーケティングアンケートが重要な理由とは?
マーケティングアンケートやマーケティングリサーチ全般は、次のようないくつかの理由から、あらゆるビジネスに欠かせない要素であると正しく認識されています。
チャンスとリスクを見極められる
マーケティングアンケートを実施することで、企業は「どの方向に進むべきか」「何を避けるべきか」を把握できるようになります。
わかりやすい例を挙げましょう。まだ手の届いていないセグメント、つまり自社ブランドをまだ知らない人々に出会えたり、業務提携やコラボレーションといったチャンスを見つけられたり、製品・サービスを改善するさまざまな方法、すなわち既存顧客へのアップセルにつなげたりできます。
リスクを最小化できる
しっかりと実施したマーケティングリサーチは、より良い意思決定を後押しする多様なデータをもたらし、その結果、いつどんな場面でも失敗のリスクを減らしてくれます。
わかりやすい例を挙げましょう。新しい市場への進出です。知識は力なり、というのは本当です。収集したデータは、自社製品が地域ごとにどれだけ売れるか、そしてその進出に価値があるかどうかを予測する手助けとなります。
競合に先んじられる
つねに目を見開き、競合をリサーチすることで、勝負の世界で一歩先を行けます。競合が何をしているのか、どのように成長しているのか、どんなチャネルを使っているのか、有料広告をどう運用しているのかを調べてみましょう。
わかりやすい例を挙げましょう。競合製品についてのアンケートを実施すれば、その製品の最も価値の低い機能と高い機能について貴重なインサイトを得られ、そのデータをもとに自社のソリューションを改善することで、競合に先んじることができます。
有料・無料を問わず、調査を進めるうえで役立つおすすめのマーケティングツールやソフトウェアの一覧はこちらです。
オーディエンスとつながれる
顧客をリサーチして理解するということは、今の時代ではただひとつの意味を持ちます。それは、オーディエンスとより良く、より効果的につながれるということです。データにもとづいて「万人向け」のアプローチをとるのではなく、メッセージをカスタマイズできるようになるのです。
わかりやすい例を挙げましょう。バイヤーペルソナのアンケートを実施すると、顧客の属性情報に加えて、その興味関心まで把握できます。これらの情報にもとづき、すべてのソーシャルメディアプラットフォームでメッセージを最適化できます。InstagramやTikTokではよりフレンドリーで親しみやすく、LinkedInのプロフィールではよりプロフェッショナルで認知度を高めるように、といった具合です。
さらに、世界のユーザーの53%がソーシャルメディアを通じて直接購入を行っているという事実を踏まえると、こうしたプラットフォーム上でのオーディエンスの行動を理解することは、マーケティング戦略とコンバージョン率を大きく高めることにつながります。
アンケート1:市場調査アンケート
市場をリサーチして貴重なインサイトを得て、それを理解することは、製品・サービスの開発・ローンチのあらゆるフェーズで鍵となります。
自社の市場調査アンケートの作り方に入る前に、まずは基本をおさえておきましょう。
HubSpotのチームによると、
「市場調査とは、ターゲット市場や顧客についての情報を収集するプロセス」です。
市場調査はさまざまな方法で行えますが、ここで取り上げるのはアンケートによる方法です。つまり、市場調査アンケートとは、さまざまなテーマについて顧客や見込み顧客に答えてもらう質問のリストだと言えます。
実施する理由: この種のアンケートを行うと、顧客や参入する市場を理解できるだけでなく、特定のオーディエンスへのリーチ、より良い意思決定、ブランド認知度の測定、市場における価格設定の理解、製品や将来の製品に関するインサイトの獲得、さらにはコンテンツの制作・配信の手助けにもなります。
市場調査アンケートの例:
- ご年齢は?性別は?
- 最終学歴は?
- お住まいの地域は?
- ご職業は?どんなお仕事をされていますか?
- 世帯年収と世帯人数は?
- あなたが抱える最大の課題は何ですか?
- 趣味・関心は何ですか?余暇には何をして過ごしますか?
- あなたにとって最も大切なものは何ですか?
- どのように情報を得ていますか?最も価値が高く信頼できる情報源は何ですか?
- どのように買い物をするのが好きですか?オンラインショッピングに抵抗はありませんか?
ただし、市場調査はより広い概念であり、さまざまなサブトピックに関連する質問例が数多く存在することを忘れないでください。どの部分に焦点を当てるかは、あなた次第です。
たとえば、Starbucksは、通常のマーケティングアンケートに加えて、数年前に市場調査を目的とした別ドメインを立ち上げ、人々がアイデアや提案を投稿できるようにしました。現在は運用されていないMyStarbucksIdea.comでは、世界中の何千もの人々から100件のアイデアが寄せられ、それらを自社のビジネスに取り入れました。メニューにヴィーガン向けの選択肢を追加する、といったアイデアです。

オーディエンスを巻き込み、データを収集し、顧客の要望やニーズについて市場調査を行う、興味深い方法です。こちらがこの取り組みのフル動画です。
アンケート2:競合調査アンケート
競合を知ることは、怖くて気後れするように感じるかもしれません。けれども、より大きな視点で見れば、長期的にきっと役立つ力と貴重な視座を得られます。
実施する理由:この種のアンケートを行うと、競合が誰なのか、自社のブランド・製品・サービスと比べて人々が競合をどう捉えているのか、自社のオファーや価格が競合と比べてどうなのかを理解でき、最終的には新規顧客の獲得にもつながります。
競合調査アンケートの例:
- 当社・当ブランドをご存じでしたか?
- 当社で何かを購入したことはありますか?
- 購入されたことがある場合、その購入にはどの程度ご満足いただけましたか?どのくらいの期間お客様でいらっしゃいますか?
- 購入されたことがない場合、その理由は何でしたか?
- 当社を友人にすすめる可能性はどのくらいありますか?
- #競合名 をご存じですか?
- #競合名 で購入したことはありますか?
- 競合ではなく当社を選んだ(あるいはその逆の)決め手は何でしたか?
- 当社の製品・サービスに今はないけれど、あったらいいと思う点は何ですか?
- 最も気に入っている点・気に入らない点は何ですか?当社の製品・サービスは、あなたのワークフローにどのように組み込まれ、日々のニーズをどう満たしていますか?
たとえば、スウェーデンのブランドHappy Socksは、メールマーケティングとアンケートを活用して、競合や、自社サイトでの購入体験全般について人々がどう感じているかをリサーチしています。アンケートの回答率をさらに高めるために、25%オフと送料無料の特典を提供しています。

ほかにも調べる価値があるのは、競合がどのように顧客を引きつけているか、ソーシャルメディアチャネルのパフォーマンスはどうか、ウェブサイトのトラフィックはどのくらいで、どんな種類の流入元から来ているのか、どんなキーワードで上位表示されていて、どんなコンテンツでそれを実現しているのか、といった点です。役立つツールは、Google Trends、Semrush、AnswerThePublicです。
アンケート3:バイヤーペルソナ/顧客分析アンケート
マーケティングの世界では、バイヤーペルソナとは、理想的な顧客像を表す架空の人物のことです。
それは、架空の名前のそばに添えられたストック写真に、個人情報や目標、人生の課題や興味関心、職種、スキルや経験、そして最も重要な「あなたが彼らの人生にどう関わるか(あなたの製品がそのライフスタイルにどう溶け込むのか/どんな問題を解決するのか)」を加えたものです。
実施する理由:マーケティングアンケートで詳細な顧客分析を行うと、顧客のニーズや問題を理解し、共感できるようになります。そのデータをもとに、マーケティング施策を最適化し、購買の意思決定を理解し、行動面のインサイトを得て、各チャネルに向けてよりターゲットを絞ったコンテンツを作成できます。
「私の経験では、バイヤーペルソナを作成し、(見込み)顧客を深く知ることは大きな転機になりました。おかげでコンテンツマーケティング戦略全体を戦略的に計画できるようになったのです。私たちは全チャネルで、伝えたいメッセージや公開するコンテンツをパーソナライズし始めました。その結果、全チャネルでエンゲージメントが高まり、関連性の高い訪問者によってブログのオーガニックトラフィックが増加し、そして何より売上が伸びたのです」。
顧客分析アンケートの例:
- 属性に関する質問。たとえば、ご年齢、性別、学歴、これまでのキャリアは?
- あなたの興味・趣味は何ですか?余暇には何をして過ごしますか?
- どんな会社で(どの業界で)働いていますか?従業員数は?
- 役職と主な担当業務は何ですか?誰に報告し、誰があなたに報告しますか?あなたの仕事はどのように評価されますか?
- 最大の課題は何ですか(仕事面・個人面の両方で)?解決策を探すきっかけになるのはどんなことですか?
- 仕事ではどんなツールを使っていますか?
- 当社の製品・サービス・ソフトウェアをどのように使っていますか?それを使う主な目的は何ですか?
- 特定の製品を買わない最も多い理由は何ですか?
- 新しい情報をどのように得ていますか?どのブログや出版物を読んでいますか?お気に入りのソーシャルネットワークは何ですか?
- ものをどのように購入しますか?情報をどのように探しますか?直近の購入はどんなものでしたか?
実施したアンケートからバイヤーペルソナを作成する際に役立つツール:Make My Persona。
顧客の行動を理解するうえで効果的なマーケティングアンケートとして、非常に詳細で深掘りしたフィードバックフォームを作成する方法があります。Chipotleの例を見てみましょう。

アンケート4:ブランド認知度アンケート
あなたのブランドはどれだけ記憶に残りますか?顧客はあなたのブランドをどれだけ知っていますか?顧客はあなたのブランドをどう捉えていますか?
こうした問いやその他の疑問に答えたいと思っているなら、そろそろブランド認知度アンケートを実施するときです。
ブランド認知度は、次の4つの要素の組み合わせです。
- ブランド認識(brand recognition) :あなたのブランドがどれだけ見分けやすいか
- ブランド再生(brand recall) :あなたのブランドがどれだけ記憶に残りやすく、顧客の頭にどう思い浮かぶか
- ブランドアイデンティティ(brand identity) :あなたのブランドのミッションとビジョンがどれだけ理解されているか
- ブランドイメージ(brand image) :あなたのブランドに対する全体的な印象や評価
実施する理由:顧客が自社ブランドをどう捉えているかを知ることは、市場でのポジショニングの改善につながり、ひいてはビジネスの成長、ブランド認知度の向上、そして売上アップに役立ちます。
たとえば、CokeとPepsiの終わりなき争いを考えてみてください。それはもはや、どちらの味が優れているかという勝負ではなく、どちらがより忠実なコミュニティを持っているかという勝負になっています。
ブランド認知度アンケートの例:
- 最もよく製品を購入するブランドはどれですか?
- 次のうち、見覚えのあるブランドはどれですか?
- もし #ブランド名 が人だとしたら、どんな人物だと表現しますか?それについてどう思いますか?
- #ブランド名 をどのように知りましたか?友人や家族にすすめる可能性はどのくらいありますか?
- あなたには #ある特定の悩み があります。そのとき、どのブランド・企業を頼りますか?
- 次のうち、#ブランド名 と結びつくものはどれですか?
- どうすれば、あなたを当ブランドのファンにできるでしょうか?あなたにとって何が重要ですか?
- #ブランド名 と聞いて、最初に思い浮かぶことは何ですか?
- #ブランド名 を最後に利用したのはいつですか?
- 当ブランドをどのくらいご存じですか?
すぐに使える、より多くの質問とあらかじめ用意されたブランド認知度アンケートのテンプレートはこちらです。

アンケート5:製品調査アンケート
新製品のローンチには多くの労力、資金、時間がかかりますが、それと同時に、多くの不確実性や失敗への不安もつきまといます。
その製品が成功するかどうかは決してわかりません。けれども、その不安に対してできることがひとつあります。それは、製品調査アンケートを実施することです。
製品調査アンケートは、新製品をローンチするときにも、既存製品の改善を検討するときにも実施できます。
実施する理由:新製品や改良製品に対する顧客の反応や意見を評価できるようになり、その結果、製品の機能や仕様、デザインについてより良い意思決定ができるようになります。
製品調査アンケートの例:
- 1日・1週間・1ヶ月のうち、どのくらいの頻度で当社の製品・サービスを利用していますか?
- 当社の製品・サービスをどのくらいの期間使っていますか?
- 当社の製品・サービスをどのように評価しますか?
- 当社の製品でどんな問題を解決しようとしていますか?
- 足りない機能は何ですか?
- あなたにとって最も価値のある機能はどれですか?
- 改善できそうな重要な機能はどれですか?
- 当社の製品はどのくらい使いやすいですか?0〜10のスケールで評価してください。
- 価格に見合った価値をどのように評価しますか?
- 当社の製品・サービスを使っていて、何か問題に直面したことはありますか?
たとえば、Alex Toobyは、自分のオーディエンスがどんなコンテンツ(彼女にとっての製品)を望んでいるのかを理解するために、その「脈」を測ろうとしました。これは、ターゲットオーディエンスが本当に必要としているものを見極め、実際のニーズに合わせてサービスを調整するための、まさに理想的なマーケティングアンケートです。

オーディエンスアンケートの全文を見る
マーケティングアンケートを実施する手順
ここまでで最も重要なマーケティングアンケートの種類を把握できたので、次は実際に1つのアンケートを実施する具体的な手順を、ステップごとに見ていきましょう。
ステップ1:明確なゴールを設定する
質問を書き始める前に、なぜそのマーケティングアンケートを行うのか、その明確なゴールについて考えましょう。
他の市場への進出を検討していますか?新製品の企画・ローンチや既存製品の改善を考えていますか?このアンケートで、いったい何を明らかにしたいのでしょうか?
マーケティングアンケートのゴールと意図を明確に定めることで、必要な答えを得られるようになります。
ステップ2:タスクのワークフローを設計する
これはどちらかというと技術的な作業ですが、それでも重要です。予算を決め、どの市場を調査するかを選び、市場調査会社に依頼してサポートを受けるかどうかを判断し、ゴールにもとづいて何を調べるかを選びましょう。
ステップ3:アンケートを作成するツールを選ぶ
マーケティングアンケートの見た目についても、しっかりと考えましょう。一度にあまりに多くの質問を投げかけてターゲット層に負担をかけたり、使いづらいデザインのアンケートになったりしないようにしたいものです。
ステップ4:データを収集・分析する。そして最後に
ステップ5:行動に移す
調査の結果と当初のゴールにもとづいて、安心して意思決定を行い、「進むべき」方向を選ぶことができます。
無料のマーケティングアンケートツール
ここまで「どのように」「なぜ」をすべて見てきました。あとは、これらのアンケートを作成するためのツールだけです。ここでは、無料で使えるいくつかの選択肢を紹介します。
- Google Forms :無料で、手早く使えて、しかも結果を自動でGoogleスプレッドシートに保存してくれるので、分析もしやすいツールです。長文・短文の回答、複数選択肢、ドロップダウン、画像や動画の追加、フォームをクイズ形式にする機能など、多彩なオプションがそろっています。
- Microsoft Forms :GoogleよりMicrosoft、GoogleスプレッドシートよりExcelが好み、という方には、こちらのフォームビルダーがおすすめです。無料でシンプル、そしてより強力なデータ分析機能を備えたExcelと連携しています。
- Jotform :もうひとつの無料オンラインアンケートビルダーで、約10,000種類のアンケートをそろえた巨大なフォームライブラリで知られています。最初の5つのフォームは無料です(それを超える分については、月額24ドルが課金されます)。
- EmbedForms :フォームの作成を助けるだけでなく、そのフォームをウェブサイト用のウィジェットへと変換できる、革新的なソリューションです。このビルダーツールには、高度なドラッグ&ドロップエディター、フォームの流れを設計できる条件分岐(コンディショナルロジック)機能、そしてマーケティングアンケートの結果を手軽に共有できる仕組みなど、役立つ機能が満載です。アンケート作成から共有までを1つのツールで完結させ、得られた回答をそのまま成果につなげられます。
もっと多くの選択肢をお探しなら、25種類以上のフォームビルダーツールを紹介した一覧はこちらです。
まとめ
アンケートの活用は、市場と顧客の両方について貴重なインサイトを得るための、手軽で効果的な方法です。ぜひ最大限に活用してください。
これで必要な情報はすべてそろいました。もう、ぴったりの質問を探すために余計な時間を費やす必要はありません。あとは、顧客フィードバックの収集と、データにもとづいたより良い意思決定に集中するだけです。







